Blog CPグループ|ブレない企業理念で30万人の組織をまとめる

2019年02月28日 (木)

mirai の知恵袋
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在タイ日系企業の事業運営にちょっとしたヒントをお届けする新コーナー「miraiの知恵袋」。今回は、2017年に日経ビジネススクール(NBS)アジア主催で行われた海外視察型研修NBSビジネスミッションより、新興財閥と呼ばれるタイの経済発展を支えた大手3社のCP Group(1921年創業)、Central Group(1947年創業)TCC Group(1960年創業)を紹介します。

CP Group 目次
1. 「生産体制」「途上国への横展開」「新規事業の創出」「人材育成」の4つの強み
2. 「人より価値のあるものはない」タニン会長が力を入れる人材育成
3. 企業理念の浸透で盤石な土台を築く

「生産体制」「途上国への横展開」「新規事業の創出」「人材育成」の4つの強み

アジア最大級のコングロマリット企業、CPグループの強さはどこにあるのか?

結論として「持続可能な発展」という大きなテーマに基づき、「生産体制」「途上国への横展開」「新規事業の創出」「人材育成」の4点に集約されます。「生産体制」のポイントは3点、川上から川下までの一貫生産と自動化、そしてそれを実現させるための技術力です。食品の生産から加工、流通、小売までの一貫体制を築き、1つの工場は7人で回せるよう自動化を目指し、設備は世界中から最適かつ最高水準の機械を集約させています。これらの生産体制は、消費者の安心・安全にも繋がっていると同社は強調します。

タイで圧倒的なプレゼンスを発揮するも「途上国への横展開」にも余念がありません。「自社のビジネスモデルは発展途上国に強みが発揮できる」と言うように、CPグループはメコン経済圏の中流層を中心に、タイで成功した事業を周辺国にも展開しています。ここで注目すべきは、現場のニーズを把握する巧みさ。積極的に現地の人材を登用し、味や生産体制、物流システムをそれぞれの国に合わせて構築しています。海外への進出では、伊藤忠との提携で中国市場を狙う他、ロシアとポーランドに生産拠点を配置し、ヨーロッパ市場への進出にも力を入れています。

海外進出と同時に「新規事業」にも力を入れており、アメリカの食品会社Bellisio Foods社の買収や通信・不動産開発・自動車等の産業にも参入しています。パートナーの選定条件は、相乗効果を得られる補完関係にあるか、コアビジネスに繋がるか。「速い魚が遅い魚を食う(“大きな魚が小さな魚を食う”ではないと強調する)」の例が示す通り、CPグループは自分たちの成長を加速させるパートナーと組み、時代の変化に適応しようとしています。

「人より価値のあるものはない」タニン会長が力を入れる人材育成

「人材育成」の分野では、幹部育成のための育成プログラムや大学(PIM:Panyapiwat Institute of Management)の設置、グループやパートナー企業との人事交流も積極的に行なっている他、一般企業の社会人向け講座も実施。ネットワークづくりの場を提供しています。

CPグループがこれほどまでに人材育成に力を入れているのは、「人より価値のあるものはない」と言うタニン会長の考えに基づきます。お金があっても良い人(適任の人)がいなければやらない。人の重要性、人を育てることの大切さは、CPグループの仕組み作りに細部まで活かされています。

例えば、CPグループに所属する30代前後の有望な若手従業員(young talents)を対象としたリーダー育成プログラム研修(โครงการสร้างผู้นำผ่านธุรกิจเพื่ออนาคต)では、タイ国内のみならず、中国やインドなどの海外拠点の従業員を集めて約6ヶ月に渡り研修を行なっています。2018年は236名の若手がこの研修に参加しました。座学10%、現場90%の構成でCPが持つ店舗などで研修を受け、ビジネスを行う上で必要なすべてのこと(経理やマーケティング、店舗運営や販促物作り等まで)を身につけることができると言います。

2016年には、総工費100億バーツをかけてカオヤイに研修施設「CP Leadership Institute」を建設しました。232,000平米(東京ドーム約5個分)と言う広大な土地でCPの未来を担う幹部候補向けに研修が行われています。

CPグループでは、本体のみならず多くの関連子会社も含めてアメリカのマルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)をルーツに持つTQA(THAILAND QUALITY AWARD ※日本では日本経営品質賞)を受賞しています。CPグループの全ての会社がTQAの受賞を目指すことで、経営の標準化を進めていく狙いがあります。世界標準の経営手法を進める一方で、東洋の学問も取り入れているところがCPグループの経営の特徴です。大学の授業や研修では囲碁を用いて経営戦略を学んだり、幹部候補の従業員にはタニン会長との相性を人相や手相で判断すると言うのも面白い点です。CPグループは、西洋と東洋のハイブリッド型経営でさらなる高みを目指します。

企業理念の浸透で盤石な土台を築く

多くの事業と30万人とも言われるグループ従業員をまとめる上げる盤石な組織力の根底には、企業理念の浸透が挙げられます。同社の企業理念は3つ、1. 商売をする国にメリットがある事、2. そこにある社会組織に貢献する事、そして最後に3. 自社に利がある事です。この3者に利のあるビジネスを展開し持続可能な発展を追求すること。これがCPグループの源流であり、現在までの成功、そして今後の強さの秘訣に繋がっていくことは間違いないでしょう。

Special Movie|タイ・メコン地域のビジネス最前線を学ぶ4日間

日経ビジネススクール(NBS)アジアでは海外視察型研修「NBSビジネスミッション」を開催しております。NBSビジネスミッションのコンセプトは、「現場に行って、現物を見て、現実を知る」の三現主義。2017年は、大手財閥企業、食、マーケティング、医療・ヘルスケアの4つのテーマで開催し、タイ企業25社を訪問しました。下記の動画は、2017年9月に開催された「タイ・メコン地域のビジネス最前線を学ぶ 4日間」の様子をまとめたものです。

この記事は、2017年7月に開催された、日経ビジネススクール(NBS)アジア主催による海外視察研修型プログラム「NBSビジネスミッション〜タイ・メコン地域の
ビジネス最前線を学ぶ 4日間〜」で訪問した企業のインタビューを元に構成しています。
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執筆 mirai campus

mirai campus の運営事務局。

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