今後のタイビジネスは、シェアの時代へ。
2018年6月8日、mirai campus 第二回目の講座「タイの経済を知る」が開催されました。
講師には、元チュラロンコーン大学の学長で現パンヤピワット経営大学学長のソムポップ・マーナランサン氏をお招きし、タイ経済の概況と成長に必要な要因、また今後のタイ経済の展望について解説いただきました。多くが戦後に誕生したというタイの財閥企業の成長フローについては、1.主幹事業を極限まで拡大し、2.事業の多角化で収益を拡大、3.技術革新や付加価値の向上を図り拡大してきましたが、今後は「パートナーシップ」や「シェア」という考え方がキーワードになると言います。相手を潰すのではなくシェアすることを考え、シェアの基盤を作れたものが勝者となる。いかにネットワークを作るかが重要だと指摘。こうした流れの中では、今後、資本のマジョリティを持つことよりも、リスク分散を目的とした協業が増え、オーナーシップは相対的に減るだろうとソムポップ氏は考えています。日本経済新聞アジア編集総局長飯田氏や受講の皆様からは、中国や中華系と呼ばれるタイ人についていくつか質問が上がりました。中国については、一様にひとくくりにして話すのではなく、政府、企業、国民の三つに分けて考えることが重要だと指摘し、それぞれの立場に分けることで見方が変わってくると説明。中華系タイ人については、自身のアイデンティティや国籍は明確に「タイ人」として認識しているとし、様々な人種を受け入れて一つの国をつくってきたタイという国の成り立ちを解説しました。
今回、講座後の受講者アンケートでは、タイ経済のマクロ的な視点や歴史部分でやや時間が長くなってしまい、受講の皆様の疑問点に深く答えることができない部分もありました。次回からは、こうした点を改善できるよう、講座の構成を見直してまいります。ご意見いただいた皆様、どうもありがとうございました。
講座の詳細は、こちらよりご覧になれます。※受付は終了しています。